「安定性」がコンセプトのTrueusd、バイナンスへの上場により価格が高騰

「安定性」がコンセプトのTrueusd、バイナンスへの上場により価格が高騰

どのような仮想通貨でもバイナンスでの取引が始まれば価格が高騰するものである。毎週たくさんのトークンが、この「Binance bounce」により数時間で50%も価格が上昇しているのだが、Trueusdはこのようなことにはならないはずだった。このコインはできる限り米ドルに近い価格を保つことが特徴なのだ。しかし、このTrueusdでさえ、バイナンスでの取引開始と同時に、想定外の事態が起こった。

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Trueusdはもはや「安定したコイン」ではない

最近「安定したコイン」というコンセプトは流行していて、様々な事業が「安定性」を目標に掲げている。これらのコインは、米ドルに対して固定された価格が設定されているのが特徴である。いわばTetherの代替案だ。Circleも最近独自の「安定したコイン」をのプロジェクトを開始すると発表したばかりだ。また、news.Bitcoin.com ではTrueusdを含むいくつかの新たな「安定したコイン」の候補を紹介した。Trueusdの特徴は以下のように表現されていた。

『(Trueusdは)エスクロー口座に保管されている米ドル建ての担保付き安定コインである。Tetherよりも取引しやすく、UpbitBittrexで取引可能である。Tetherとの交換も可能だ。』

516日、バイナンスはTrueusdの取引を開始したいという意向を明らかにした。実はこの日まではTrueusdはコンセプト通りの価格を維持できていた。米ドルとほぼ同額で取引可能だったのである。しかし、バイナンスが取引開始するというニュースが流れたとたん、Trueusdはアルトコインの中でも群を抜いて高騰してしまった。東部時間の午前336分、Trueusd0.997ドルで取引されていた。22分後には1.18ドルに上昇し、午前5時には1.39ドルにまで上昇していたのである。価格が変動しないことが特徴であるコインの価格が、39%も上昇してしまったのだ。

「安定性」とは一体何なのか?

バイナンスは「2018518日午前4:00に、TUSD / BNBTUSD / BTCTUSD / ETHの取引を開始する。取引準備のためにTrueusdを入金できるようになった。」と宣言した。これには、「注:TUSD『安定』したコインです。価格は1 TUSD = 1 USDとなるように設計されている。」とも付け加えられていた。しかし、このようなTrueusdの仕様は、全くバイナンスでの取引開始の影響に対応できていない。Trueusd開発チームは「TrueusdUSDと1:1でスマートコントラクトによる取引が可能である」と説明していたのだが、このコンセプトは実現できなかったようだ。

皮肉ではあるが、Trueusd39%も価格高騰したことで、Tetherの信頼が上がったようである。Tetherに関す投資家のる意見は様々だが、少なくともTetherは常に米ドルとほぼ同じ価格を保っているのだ。Trueusdは多くの投資家が購入しようとしたことで価格が高騰した。この投資家たちが皆、Trueusdのコンセプトを知っていたのかどうかは定かではない。Trueusdの価格は最終的に落ち着き、元の値段に戻ると考えられるが、Trueusdの安定性はそれはど信頼できるものではなく、40%も上昇することがあるのだから、逆に40%もの暴落を見せることもあるのではないか、という疑問を持つ人もいるかもしれない。

[Bitcoin.com からの翻訳]

画像提供:pixabay

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