政府や中央銀行が、Bitcoin(ビットコイン)が犯罪組織のマネーロンダリングに利用される可能性を指摘することは多い。しかし、中国と世界を結ぶ金融拠点である香港政府は、このような可能性は全くないと明確に表明した。
マネーロンダリングに利用された形跡がない
香港政府は月曜日、「2018年マネーロンダリングやテロ資金の調達(ML / TF)に関するリスク評価報告書」を公開した。この報告書では国際的基準を定めているFATF(金融活動作業部会)の勧告を受けて、香港が直面している脅威や脆弱性について検討している。
Bitcoinに関する問題について言及している部分では、香港警察が監視している範囲において、仮想通貨取引が組織犯罪やテロ資金の供給に使用された形跡はないと表明した。さらに、調査や分析の結果、仮想通貨が他の一般犯罪(薬物、密輸など)やテロ資金供給などの目的で利用されたことはないと判断したようだ。しかし、「我々が直面している脅威はそれほど危機的なものではない。」とは言うものの、仮想通貨がポンジスキームの配当金や、ランサムウェアを用いた犯罪などのサイバー犯罪者への支払い金に用いられた形跡があったと政府は発表した。
完全に自由な市場経済への脅威はない
興味深いことに報告書では、なぜBitcoinの利用が、市場経済の自由を重んじる政府への脅威だと見なされるべきでないのかについて説明している。
「香港は、外国為替取引が活発で、市場操作が全くなく、経済に関しては世界でも類を見ないほどの自由な国である。(仮想通貨は)人々が通貨規制や高いインフレ率を回避しようとするような地域ほど、香港でも人気がでるとは考えられない。」
報告書から明らかなように、香港政府は犯罪対策として、市民に仮想通貨での投資には注意を要すると呼びかけ、実際に起こった犯罪に対処するという2つのみで十分だと考えているようだ。アジア諸国の他の地域の政府とは異なり、香港政府はBitcoinの正当な取引を制限する必要なないと考えている。仮想通貨を含むかどうかに関わらず、現行の法律や規制の条項は詐欺やその他の犯罪行為を裁くのに十分だとされているようだ。
[Bitcoin.com からの翻訳]
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