米国証券取引委員会(SEC)は取引所Cboe BZXが提出した規則変更に基づいて、Vaneck Solidx bitcoin ETFについての決定を下すために必要な期間を延長した。一方、ETF担当チームは昨年Solidx Bitcoin Trust ETFの運営を許可しない理由として挙げられた全ての懸念事項について対処し、その変更内容をSECに提出したようだ。
SEC、結果発表を延期
SECは、Vaneck Solidx Bitcoin Trustによって発行された株式Solidx Bitcoin Sharesを取引する際の規則の変更について判断を下すための期間を延長した、と火曜日発表した。
7月2日に連邦登録簿に掲載された情報によると、取引所Cboe BZXは6月20日にSECに規則変更について報告していたそうだ。同取引所が運営するETFは仮想通貨コミュニティで現在非常に注目されている。「2018年8月6日現在、委員会は提案された規則の変更について1300件を超えるコメントを受け取っている」とSECは発表した。
同委員会は、証券取引法により連邦登録簿への公示から45日以内に、決定までの期間を延長することができるということについて述べ、以下のようにコメントしている。「SECではこの期間延長制度を適用した。提出された規則変更の報告に関して、十分に時間をかけて検討し、法律に則って適切な判断を下すために期間を延長すべきだと判断した。」
SECは現時点では「委員会が提出された規則変更の許可/禁止を決定する期限、そして取引所Cboe BZXが規則変更の採用/不採用を決定する期限として、2018年9月30日を指定する。」と明らかにした。しかし、SECがこのように仮想通貨ETFについての決定を延期するということはこれが最後ではないかもしれない。証券取引法によれば、連邦登録簿に掲載された日付から最大240日延期することができるそうだ。
直近の不認可の判断における懸念事項は「解決済み」
昨年3月、SECはNYSE Arca社がSolidx Bitcoin Trustの株式を取引するために提出した規則変更を不認可すると判断した。
しかし、8月1日付のSECの公式ウェブサイトに掲載された文書では、15人のSEC関係者とVan Eck Securities Corporation社、Solidx Management LLC社、Cboe BZX Exchange社の6人の代表者との前日の会合について詳細が掲載されている。
Van Eck Securities Corporation社とSolidx Management LLC社の代表者がSECのスタッフにプレゼンテーションを行い、3月にSECが懸念事項として挙げた項目について解決したことや今回の規則変更は認可されるべきであると考えられる理由などが概説された。
プレゼンテーションは以下のように述べられたようだ。「(SECの以前の)不承認の判断で挙げられた問題は解決した。7月に、評価、流動性、保管、裁定取引、潜在的な価格操作など、SECが仮想通貨ETFの懸念事項として挙げた事柄に対処できていることを示すために13ページにわたる報告書を委員会に提出した。」
前回の不承認の判断からの主な変更点
プレゼンテーションでは、昨年3月にはSolidx Bitcoin Trustの規則変更を拒否されたが、それ以来大きな変化があったということが述べられている。
最初に起こった変化は「ビットコイン(Bitcoin/BTC)のデリバティブ市場が複数存在するようになった」ということである。プレゼンテーションでは、CMEビットコイン(Bitcoin/BTC)先物、Cboeビットコイン(Bitcoin/BTC)先物、Ledgerx Bitcoin swapsやそのオプション契約、Cantor Exchange自己保証ビットコイン(Bitcoin/BTC)swaps契約などが例示されている。最初の2つに関しては、合計で24時間あたり約150~200百万ドルの取引量を記録しており、米国商品先物取引委員会(CFTC)の規制にしたがっていることを強調した。
次に商品は、価格およびNAVの決定にOTC指数が使用されるようになった結果、価格が変化したということを挙げた。
「CFTCはOTCビットコイン(Bitcoin/BTC)取引を管轄している。2017年3月の不承認通知に記載されている「操作に必要な抑止力」を認知し、潜在的な価格操作活動をすぐに認識・特定することができるだろう。」と強調した。
さらに昨年3月以降、「情報共有協定の拡散」されるようになった。さらに、SECが発表した「ビットコイン(Bitcoin/BTC)ETFと個人投資家に関する懸念」の文書から引用し、プレゼンテーションでは「初回株価は、機関投資家と非リテール投資家だけが株式を購入できるようなレベルに設定される」と述べられた。これは7月30日現在では1株当たり203,750ドルに相当するそうだ。またプレゼンテーションでは、GBTCやXBTなどの既存のプロバイダはビットコイン(Bitcoin/BTC)投資家を適切に保護してないということも述べられた。
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