仮想通貨マイナーは最大3倍の使用料、電気料金を値上げ|カナダ

仮想通貨マイナーは最大3倍の使用料、電気料金を値上げ|カナダ

カナダのケベック州では、ハイドロ・ケベック(Hydro-Quebec)社により供給されている電力がマイナー達により占有されてしまったことを受けて、仮想通貨マイナーへの電気代の請求を現在の価格の約3倍まで引き上げることが決定された。さらに、仮想通貨に関する提案がいくつかなされており、今後仮想通貨企業に電力会社への入札義務が課せられる可能性があるようだ。

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マイナーの電気使用量を引き上げ

カナダ東部のケベック州は北アメリカで電力料金が最も低い州の1つである。ケベック州ではハイドロ・ケベック(Hydro-Quebec)社により発電、送電、配電されている。ハイドロ・ケベック(Hydro-Quebec)社は1944年に政府により設立された電力会社で、現在では400万人程度の顧客を抱えており、カナダ最大の電力会社である。

同社は仮想通貨マイナーに対して、マイニングには余剰電力を利用するように何ヶ月にもわたって訴えてきた。しかし、Bloomberg(ブルームバーグ)誌によると、仮想通貨マイニングのために要請される電力量は非常に多く、ケベック州は「州内の電力不足に対する解決策がわかるまで、仮想通貨マイナーの電力使用料を引き上げること」を決定した。

州規制当局Regie de l’energie(レジエ・ドゥ・レナルジエ)は、ハイドロ・ケベック(Hydro-Quebec)社がブロックチェーン企業に対して15セント/kwhの料金を課すことを許可した。この金額は今までの電気料金の約3倍である。またこの価格は既存の顧客やその電力使用には適用されないようだ。既存の顧客による使用電力は合計で約120メガワットのようだ。

「今後、ブロックチェーン企業には電力会社に入札する義務が課され、企業がメガワットあたりどのような雇用と投資を生み出すことができるのか明示することが必要になる。」とハイドロ・ケベック(Hydro-Quebec)社は述べている。「入札開始額は、今までより1キロワット時あたり1カナダドル(約0.0075ドル)高く、約20%ほど引き上げた。」

さらに、ハイドロ・ケベック(Hydro-Quebec)社が木曜日に発表した計画によると、すでに既存の事業で120メガワット以上利用している企業には「550メガワットを割り当てる」ようである。この計画はまだ規制当局の承認を受けていないようだ。ハイドロ・ケベック(Hydro-Quebec)社の代表者ジョナサン・コート(Jonathan Cote)によると、同社は「電力業界について調査を行い、どのような形で電力料金を割り振るのが公正なのか、どのような事業が投資や雇用を生み出しているのか」を見極めるそうである。

仮想通貨マイナーからの想像以上の電力需要

ハイドロ・ケベック(Hydro-Quebec)社による発表によると、同社に仮想通貨マイナーからの「短期的および中期的な電力供給能力を上回るほどの電力需要」があったそうだ。「我々は、これがケベック州での仮想通貨に対する電力料金である、と提示したいわけではない。ただ市場にどのような形で電力を供給するのが最適なのか、答えが得られるまでマイナーたちへの電力供給は中断されるということだ。現在の電気使用料は数週間適用されるが、その後規制当局が全利用者に適用される課税制度を決定する。」

news.Bitcoin.comで以前にも報道されていたように、ケベック州では安価な電気使用料と涼しい気候で仮想通貨マイナーを魅了しようとしてきた。しかし、ハイドロ・ケベック(Hydro-Quebec)社は20181月に仮想通貨マイナーによる電力需要に対応しきれないと発表していた。今回の電気使用料引き上げに先立ち同社は仮想通貨マイニング専用の新アプリケーションを停止し、冬の間は仮想通貨マイニング事業を停止することを検討していたようだ。

[Bitcoin.com からの翻訳]

画像提供:pixabay

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