急成長が当たり前の仮想通貨の世界では、2016年は100年も1世紀も前のように感じられる。当時規模が大きく成功していた仮想通貨取引所のうちいくつかは業績が伸び悩み、トップ10のうち8つは順位が落ちている。当時アルトコインの選択を誤って失敗に終わったというだけではない。アルトコインの選択に関わらず、当時成功していた取引所はかなりの割合で失敗している。
2016年の仮想通貨取引所上位10のうち8取引所は伸び悩んだ
ここ2年間で、トップ仮想通貨取引所が扱う仮想通貨の構成は劇的に変化し、取引量も大きく変化した。2016年当時、Coinmatketcap(コインマーケットキャップ)の記録では取引量がトップの仮想通貨取引所はOkcoin.cn(オーケイコイン)で、24時間あたりの取引量は4億4,000万ドルをにも上っていた。しかし、今や取引量はわずか1,7000ドルで188位である。当時も今と同様、取引量がトップの仮想通貨ペアはビットコイン(Bitcoin/BTC)とライトコイン(Litecoin/LTC)だった。
2016年時点での取引量第2位の仮想通貨取引所はBtctrade(BTCトレード)で4時間あたりの取引量は2億1,800万ドルであった。現在では取引量は2,300万ドルで54位である。当時の取引量トップの仮想通貨ペアはビットコイン(Bitcoin/BTC)とYbcoin(2017年に廃止された中国のコイン)だった。現在ではBtctradeのトップペアはビットコイン(Bitcoin/BTC)とイーサリアム(Ethereum/ETH)である。2016年時点での規模トップ10の仮想通貨取引所は、HuobiとKrakenの2つだけ同程度の順位を保っている。Huobiは、24時間あたりの取引量が1億6500万ドルから13億ドルに増加したにもかかわらず、順位は3位から4位に落ちた。これは、ビットコイン(Bitcoin/BTC)などの仮想通貨が2016年から現在に到るまでいかに価値が上がってきたかを示している。
2年間で様々な変化
ここ2年間で仮想通貨取引所のランキングは以下のように変化した。
<2016年>
1位 Okcoin.cn (現在188位)
2位 Btctrade (現在54位)
3位 Huobi (現在4位)
4位 CHBTC (廃止済)
5位 BTCC (現在38位)
6位 Poloniex (現在29位)
7位 BTC100 (廃止済)
8位 Btcbox (現在25位)
9位 Itbit (現在39位)
10位 Kraken (現在10位)
<2018年>
1位 Bitmex
2位 Okex
3位 Binance
4位 Huobi
5位 Bitfinex
6位 Upbit
7位 Bithumb
8位 Hitbtc
9位 GDAX
10位 Kraken
アルトコインは長続きしない仮想通貨で、すぐに廃止されてしまうということを主張する人は多い。彼らの主張は一理あるかもしれないが、そもそも2016年から今までの大規模仮想通貨取引所を見てもわかるように長続きする事業は少ないのだ。仮想通貨取引所の廃止率は仮想通貨そのものの廃止率よりも高いのである。Coinmarketcap(コインマーケットキャップ)によると取引所は2016年に105存在していた(現時点では213)が、このうち現在でも10,000ドル以上の取引量があるのは60%ほどである。インフレを考慮したとしても現時点で90%の取引所は取引量にさほど違いはない。
2016年のトップ取引量のコインの中には、Maidsafe(メイドセーフ)、Nxt、Dogecoin(ドージコイン)、そしてThe DAOがあった。トップ10取引所が以前に比べて良い取引所であることに反対する人はあまりいないが、ビットコイン(Bitcoin/BTC)以外のトップ10の仮想通貨が質的に向上したかどうかは別問題である。ここ2年間で仮想通貨業界はどのように変化を遂げたのかを知るための指標として、最後に総取引量について注目すると、2016年8月にはトップ10の取引所はわずか10億ドル超の仮想通貨取引を行っていた。今日では、この数字は106億ドルにまで伸びている。2年後、現時点でのトップ規模の仮想通貨取引所がどのくらい生き残っているか、楽しみである。
[Bitcoin.com からの翻訳]
画像提供:(pixabay)