ビットコイン(Bitcoin/BTC)のマイニングで消費される電力の推定値が最近様々なメディアで話題になっているが、マイニングで1年あたりに消費される電力はアイルランド全体で1年間に消費される総電力に匹敵するという意見が多いようだ。このような報道は、アジッド・デ・ブリーズの研究がきっかけとなったようだ。この研究ではDigiconomist(ディジコノミスト)のBitcoin Energy Consumption Index(BECI)が引用されていたようだ。BECIの指標では、マイニングで消費される電力が115%以上過大評価されていると専門家たちは主張している。このようなBECI指標に基づく議論を受けて、Coinshares(コインシェア)はマイニングは1年間で約35テラワット・アワー(tw/h)消費しているという推定を発表した。この値はBECIによる推定値の約50%程度である。
アイルランド全体と同程度の電力を消費しているというマイニング電力の過大評価
ウェブサイトDigiconomist(ディジコノミスト)の創設者であるAlex de Vries(アレックス・ドゥ・ヴリス)がビットコイン(Bitcoin/BTC)のマイニングで消費されているエネルギーを研究・発表したが、これをきっかけに様々な報道がなされ、最近では、ビットコイン(Bitcoin/BTC)マイニングによりアイルランド全土と同じくらいの量の電力を消費しているという意見も出ている。
しかしDigiconomist(ディジコノミスト)のBECI指標の見直しは、今までなかなか焦点になってこなかった。Alex de Vries(アレックス・ドゥ・ヴリス)氏自身は「我々は様々な計算方法に触れてきたが、仮想通貨ネットワークの構造についてもっと科学的な議論が必要だ。現在では利用できる情報は非常に質が悪く、本研究を今後の研究の土台として利用されることを望む」と述べている。
マイニングはBECIの約半分程度の電力しかを消費していないとCoinsharesが推定
Coinshares(コインシェア)はマイニングは1年間で約35テラワット・アワー(tw/h)消費しているという推定を発表した。この値はBECIによる推定値の約50%程度である。
Coinshare(コインシェア)による研究の責任者かつ論文の共著者Christopher Bendiksen(クリストファー・ベンディケン)は次のように述べている。「マイニングによる電力消費は地球環境に良くないという話はよく報道されている。しかし、私たちがインタビューしたマイナーのうち多くは、Digiconomist(ディジコノミスト)が使用したデータに疑問を持っていた。マイナーたちが電力消費量の測定方法を確立しているわけではないが、小規模のプールを利用してマイニングによる電力消費量を抑えているようだ。」
BECIについて、「我々の調査結果はBECIにより提示された数値とかけ離れており、BECIを用いた研究により得られたマイニング電力消費量は不適切なものであると考えている。」
再生可能エネルギーのみで行うビットコイン(Bitcoin/BTC)マイニング
今回の研究では、仮想通貨マイニングの電力は主に水力発電など再生可能エネルギーで賄える可能性があると考察されている。
「全体として、以前に報道されていた状況とは対照的に、ビットコイン(Bitcoin/BTC)マイニングは、水力発電など再生可能エネルギーに主に依存しており、中国のある地域での火力発電によるマイニング電力の供給はビットコイン(Bitcoin/BTC)ネットワークのごく一部でしかないということがわかった。」
「中国では、南部や南西部で水力発電を利用して、かなりの量の電力を発電できる可能性がある。」とこの研究では述べられている。
[Bitcoin.com からの翻訳]
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