Lul.toはドイツ語のオーディオと電子書籍の海賊版プラットフォームだが、50万件もの商品を売買し、3万人ものユーザーに提供していた。昨年の夏、ドイツサイバー犯罪救済センター(SN4C)がサイトを閉鎖し、その事業者を逮捕した。この過程で多額の仮想通貨も押収されたのである。2ヶ月の間に仮想通貨は公開売却され、ドイツ史上最高額の1200万ユーロ(1380万ドル)にものぼった。
ドイツ当局は仮想通貨を売却し、1000万ドル以上も収益を得た
ドイツ通信広報担当者Der Tagesspiegel氏は押収された仮想通貨から得られた収益は「1200万ドルにものぼった」と発表した。記事には「合計で1312枚のビットコイン(Bitcoin/BTC)が売却された。他の仮想通貨もある程度量があったようだ。1399枚のビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash/BCH)、1312枚のビットコイン・ゴールド(Bitcoin Glod/BTG)、220枚のイーサリアム(Ethereum/ETH)などだ。これらの仮想通貨の売却にはほぼ2ヶ月もかかった。2月下旬から4月下旬にかけてドイツの取引プラットフォームで1600以上のトランザクションを経て売却された。」
政府は仮想通貨の価値はあまり安定しないと考えており、ほとんどの場合なるべく早く売却してしまうようにしている。トーマス・ゴーガー(Thomas Goger)検察官は、価格は「問題ではない」と主張したものの、ビットコインコア(Bitcoin Core)やビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash/BCH)、ビットコイン・ゴールド(Bitcoin Glod/BTG)、イーサリアム(Ethereum/ETH)の価格は一度少し持ち直したが、政府が仮想通貨を売却中、2018年2月20日ごろから価格はかなり低下した。
生鮮食品のような通貨
Der Tagesspiegel氏は検察官の「全ての仮想通貨はインフレのリスクが大きく全く価値を持たなくなってしまう可能性もある。従って、バイエルン中央サイバー犯罪事務所は緊急販売を命じた。」という発言を引用した。ドイツ通信のニュースではこのことを、通貨がまるで生鮮食品のようだ、と表現した。
このような売却は2017年終盤にもあって、200万ユーロほどの仮想通貨を当局が売却した。多額の仮想通貨は普通コールドウォレットやホットウォレットなど様々な種類のウォレットに散らばって管理されているため、当局が少しでも回収できたのは奇跡的である。「被告人も作業に協力した。」とトーマス・ゴーガー(Thomas Goger)検察官は述べたようだ。
比較対象として、ブルガリア当局の実績が挙げられる。ブルガリアは32017年に3億ドルを獲得し、国債の20%を支払うことができた。また、米国は今年4000万ドルを獲得することができ、ドイツが今回獲得した金額の2倍以上の資金調達に成功している。
[Bitcoin.com からの翻訳]
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