トランザクション量を意図的に増やす技術「バックドアICO」

トランザクション量を意図的に増やす技術「バックドアICO」

仮想通貨取引業者一部は、取引量を通常よりも多くするための技術を発見したようだ。彼らはトランザクション量を増やすために、トークンを発行したユーザーに直接報酬を与えているようだ。この手法はトランザクション量操作のためのバックドアICObackdoor ICO)と呼ばれているようだ。

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マイニングと同時にトランザクションも

仮想通貨取引所は、トランザクション量を長らく競ってきた。その中で、一部の仮想通貨取引所は、ゼロ金額の取引や顧客への取引の促進など、トランザクション量を増やすためだけの技術を利用してきたようだ。最近では、仮想通貨取引所はトランザクション量を増加させるためだけの技術を持った人材雇うようになってきたようで、非難を受けている。トランザクションの際の、送信者・受信者両方をカウントすることでトランザクション量を2倍に水増ししたり、ただ単に常にトランザクションをさせたりしていたようだ。そして取引所は自然にプラットフォーム利用者が増加するのを待つことをやめ、プラットフォームを利用してくれるトレーダーに報酬を与えるようになったようだ。

Fcoin(エフコイン)はHuobi(フオビ)のCTOであったZhang Jian(チャン・ジアン)により開発されたプラットフォームだが、ここでは「トランザクション料マイニング」というモデルが利用されていた。このモデルでは、顧客に取引所のトークンを配布することでトランザクション手数料が実質的に無料になる。これは仮想通貨業界では新たな傾向ではあるが、他の分野では前例がすでにある。FXや株式ブローカーは顧客の取引を増やすために、その顧客の取引量に応じてキャッシュバックしたり(無料iPadの配布など)その他のインセンティブを与えるような仕組みを用いることがある。しかし、仮想通貨取引所ではこれらのトークンを配当支出証券の一形態として提供しており、取引所内でのみ利用できるようになっている。このようなことは仮想通貨トークンの開発なしには実現しないものであった。

Binance(バイナンス)社への脅威

「トランザクション料マイニング」を利用する取引所はFcion(エフコイン)に続いて、シンガポールのコインベン(Coinbene)社や香港のビットツ(Bit-Z)社などいくつも登場した。これらのプラットフォームはこのような手法を用いることで大量のトランザクション料を短期で実現することができるようになった。当然ながら、このように「トランザクション料マイニング」モデルを採用する取引所が出現したことの影響を最も恐れているのはBinance(バイナンス)社である。Binance(バイナンス)社はすでにICOにより独自のトークンを発行してしまっているのだ。

Binance(バイナンス)社のCEOであるChangpeng Zhao(チャンペン・ツァオ)氏は、中国のメディアで「トランザクション料マイニング」モデルを批判した。「もし取引所の生き残りが、トランザクション手数料による収益でなく、発行したトークンの価格変動に左右されるのであれば、とにかくトークンの価格を上昇させる必要がある。この点で、経験の浅いトレーダーや個人投資家は、市場操作を実現しかねないようなトレーダーもいるこのような市場において取引して、収益をあげる可能性は非常に低くなってしまう。」

[Bitcoin.com からの翻訳]

画像提供:pixabay

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