複雑な法規制を遵守するために規制当局出身者を雇用

複雑な法規制を遵守するために規制当局出身者を雇用

機関投資家がビットコイン(Bitcoin/BTC)投資に積極的になり始めており今後ビットコイン(Bitcoin/BTC)市場が再び盛り上がることが推測されている一方で、new.Bitcoin.comでは少なくとも仮想通貨自体が機関投資家の注目の的になりつつあるという確信を得ることができた。ウォールストリートのメガバンクや、政府の支援を受けているテレコム関連の独占企業、激しい競争を繰り広げる技術系大企業などに共通しているように、仮想通貨業界では企業が今や規制当局出身者を雇い始めているようだ。

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連邦検察官出身者を仮想通貨業界で雇用

a16z仮想通貨基金は先日3億ドルの資金を確保できたことを発表したが、それと同時にぜネラルパートナーとしてKatie Haun(ケイティ・ホーン)氏を雇ったことも明らかにした。技術系メディアではこれについて「多様性」、「包括性」などの点で注目して報道したが、ほとんどのニュースでは彼女が女性であるために、彼女が政府の弁護士や規制当局出身者で仮想通貨関連業界に入った非常に注目すべき人物であることが見逃されていた。

名門スタンフォード大学出身の彼女の経歴によると、Katie Haun(ケイティ・ホーン)氏は米国司法省(DOJ)で10年以上連邦検察官を勤め、SECFBI、財務省などの機関と協力して詐欺、サイバー犯罪、企業コンプライアンスにおける法令違反などに対処してきたようだ。彼女はDOJ初のデジタル資産コーディネーターであり、Mt. Gox(マウントゴックス)事件でのハッキングや汚職についての調査やシルクロード(Shilk Road)の事件に関する調査を担当していたようだ。経歴からわかるように、Haun氏は間違いなく能力が高く、知性を備えた女性だろう。しかし彼女は法律に関する専門家であり、ベンチャーキャピタルや投資に関する専門家ではない。このことについて、彼女が任命された役職を全うできるのか疑問であるという意見があるようだ。

自由で公正な市場とは?

上述の通り、Katie Haun(ケイティ・ホーン)氏のような経歴は規制当局から仮想通貨業界に入った例として最新のものである。2018年5月、Kraken(クラーケン)は元ペンシルベニア州西部地区検事であるMary Beth Buchanan(メアリー・ベス・ブシャナン)を雇った。201712月には、ビットレックス(Bittrex)が、国土安全保障省(DHS)の元副総裁Kiran Raj(キラン・ラジュ)氏を戦略部長として、また25年間DOJDHS監督官として勤務した経験のあるJohn Rothをチーフコンプライアンス兼倫理責任者として雇用した。201711月には、BitLicense(ビットライセンス)を推進していた元ニューヨーク金融監督、Ben Lawsky(ベン・ロースキー)がリップル(Ripple/XRP)の取締役会のメンバーに加わった。このような例は他にもあるが、2015年まで遡ると実は、Itbit(イットビット)が元NYDFSの顧問弁護士であるDaniel Alter(ダニエル・オルター)を顧問弁護士兼チーフコンプライアンス責任者として雇用していた。

もちろん、これはすべて合法で、仮想通貨企業と規制当局出身者の両者にとってプラスとなる。仮想通貨企業は複雑な法システムを遵守した上で事業を進められるようになる。また、規制当局出身者は、高賃金で働きながら前職の経験を生かすことができる。欠点があるとすれば、このような雇用の方式が標準化すると、この業界への新規参入が難しくなるので、エンドユーザーが不利益を被る可能性があるということである。

新たに仮想通貨取引を設立したいという企業があったとする。十分な資産と人材のコネクションがない限り、規制当局の重要な役職を務めていたような有能な人材を雇えないので、すでにそのような人材を確保している既存の企業からかなり遅れをとってしまう。そしてこのようなことを考えているうちにリスクの大きさに怖じ気づいて新規参入計画は廃止されるだろう。もし善意に溢れた議員が現状を正しく把握すれば、いまのような難解な法システムは市場にとって不利益だということがわかるはずである。しかし、それまではビットコイン(Bitcoin/BTC)などの仮想通貨関連企業はいまの法システムを理解している人材を雇用し続けるだろう。

[Bitcoin.com からの翻訳]

画像提供:pixabay

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