大手金融会社ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は、仮想通貨取引デスクを開設する計画を打ち切ったそうだ。同社が仮想通貨取引デスクを開設する予定を発表し、仮想通貨コミュニティが盛り上がったのはつい先月のことであっった。しかし、この計画が打ち切られたという発表があった今、仮想通貨市場はこのニュースを受けてマイナスの影響を受けているようだ。
ゴールドマン・サックス、仮想通貨取引デスク開設計画を中止
仮想通貨市場は全体的にみて、明らかに右肩下がりの傾向を見せている。ビットコインコア(Bitcoin Core/BTC)は、5.3%も価格が減少した。「様々な仮想通貨に対応してほしいという顧客の要望に応え、この業界で最善の策を模索している最中だ。現時点では当社での仮想通貨領域におけるサービス提供について、結論は出ていない。」とゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)社の広報担当者は説明している。
英国の取引所イートロ(eToro)のマーケットアナリストMati Greenspan氏は、「仮想通貨業界では昨年、ウォール・ストリートでも仮想通貨が用いられるようになるのではないか、という期待が大きかった。そのため、比較的小さな動きでも市場への影響は大きくなっていた。たとえニュースの内容が実現するのか不明瞭でも、市場への影響が出ていたのだ。」
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)社は昨年後半に、CME社やCboe社と協力してビットコイン(Bitcoin/BTC)先物取引を積極的に導入しようという姿勢を見せた点で特別な存在であった。しかし同社は今や、仮想通貨取引デスクの開設計画を中止したと発表した。同社のように金融業界の大手が仮想通貨を取り入れるということは、投資家にとって非常に意義のあることだった。
完全に仮想通貨の導入を中止というわけではないが、当面の計画はなし
Business Insider誌の報道によるとゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は、仮想通貨導入計画を当面の間、見送るようだ。規制当局の方針がまだ曖昧な時期に、同社のような規制銀行が動きを見せるべきではない、幹部が判断したようだ。
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)が仮想通貨業界への参入の動きを見せたのは昨年で、実際に計画が実行されるのは時間の問題だと考えられていた。しかしこの1年の間に、状況が変わってしまったのだ。仮想通貨の価格は1年前は高騰していたが、今年になって落ち着き始めた。各種のビットコイン(Bitcoin/BTC)ETFは米国証券取引委員会(SEC)からなかなか承認を受けることができず、ビットコイン(Bitcoin/BTC)価格は急落した。そして幹部は仮想通貨ビジネスへの参入に難色を示すようになった。
Business Insider誌は「ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)社は、現時点で仮想通貨取引デスク開設計画を中止するという決定をした。今後事業の一環としてこの計画を実行に移す可能性はまだ残っている。現時点では、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は仮想通貨資産管理サービスなどの提供に集中している。これによって銀行が顧客の仮想通貨を預かり、価格の変化を把握して、顧客に通知することができるようになる。市場関係者多くが主張しているように、大規模な投資を行うには、保有している資産を適切に管理できるようなサービスが必要となるのだ。」
[Bitcoin.com からの翻訳]
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