仮想通貨取引所Binance(バイナンス)社は仮想通貨業界と従来の銀行の橋渡しとなる銀行「Founders Bank」を設立するというプロジェクトに取り組んでいるようだ。この銀行はドイツの法律の基づいて資金調達が行われ、マルタを拠点に活動する予定のようだ。バレッタ当局はBinance(バイナンス)社がマルタでプロジェクトを進めることで、仮想通貨投資家からも一目おかれる存在になるのではないかと、今回のプロジェクトを歓迎しているそうだ。
分散型、コミュニティ主導の銀行
世界一の取引量を誇る仮想通貨取引所Binance(バイナンス)社は、新たに金融機関を立ち上げようと模索している。このプロジェクトは、分散型かつコミュニティ主導の銀行を立ち上げるということにフォーカスしており、投資家たちから資金を調達する予定だ。将来的にはこの金融機関は、仮想通貨に親和性の高い島国であるマルタを拠点とするそうだ。Binance(バイナンス)社はBloomberg(ブルームバーグ)誌に、他の投資家と並んで133百万ユーロ(1億5,500万ドル)のプレマネー評価で5%の株式を取得したと語った。
本質的にこの事業は仮想通貨業界と従来の銀行業界の橋渡しをすることを意味する。そしてこれを実現するためにはBinance(バイナンス)社や提携企業はマルタで許可を得る必要があるが、今回の場合すでにマルタ政府はこのイニシアチブに対して友好的な姿勢を示している。さらに、Malta Daily誌によれば銀行の取締役会には政府のブロックチェーン顧問Abdalla Kablan(マルタ・デイリー・レポート)も含まれているそうだ。また議長は起業家Michael Bianchiが務めると報道されている。
木曜日、Binance(バイナンス)社の発表の際には、マルタ首相府内の金融サービス、デジタル経済、イノベーション担当副社長のシルヴィオ・スキブリ(Silvio Schembri)氏の「マルタが世界初のコミュニティ主導の銀行の拠点として選ばれたことを非常に光栄に思う。」というコメントが引用された。EU内で今回の事業を運営するには、マルタ規制当局からライセンスを取得し、欧州中央銀行の承認を得る必要があるそうだ。
「Founders Bank」は、ブロックチェーンベースのエクイティ資金調達プラットフォームであるNeufund(ニューファンド)を通じて提供され、法的拘束力のある株式トークンを発行するようである。トークンセールは今年秋以降にドイツの法律に基づき、欧州の主要証券取引所と協同で行われるそうだが、どの証券取引所なのかはまだ明かされていない。
今後さらなる事業拡大の可能性
今回のニュースの報道の前にBinance(バイナンス)社CEOのChangpeng Zhaoは、今年は5~10億ドルの純利益を積み上げられるという予想を明らかにした。昨年設立されたばかりの取引所Binance(バイナンス)社はすでに、一日の平均取引総額15億ドルを誇り、約1000万人ものユーザーを抱えている。
日本と香港では、政府による規制の圧力が高まったことから、Binance(バイナンス)社はマルタに拠点を移した。そしてそのマルタでBinance(バイナンス)社は法定通貨ユーロ・ポンドとの取引サービスや預金サービスもリリースするという計画が明らかになっている。このようにアジアからマルタ島に移転する仮想通貨企業は他にも多々ある。中国で創設されたオケックス(Okex)も4月にマルタに移転する計画を発表したし、5月にはポーランドで創設されたBitbay(ビットベイ)も移転計画を発表した。
EU加盟国の小さな島国マルタは、仮想通貨ビジネスの誘致に関してジブラルタルやスイスと張り合ってきた。最近ではバレッタの議会はマルタ国内で成長期にある仮想通貨企業に明確な規制を導入するために、新たな法律を採択した。
Binance(バイナンス)社の事業拡大は何もマルタ周辺だけに限ったことではない。7月初めに同社はウガンダで仮想通貨と法定通貨の取引プラットフォームを立ち上げると発表した。また、同社はバミューダ政府とも合意に達し、グローバルコンプライアンスセンターの設置を試みているそうだ。
[Bitcoin.com からの翻訳]
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