Aeternity(エターニティ)は、Ethereum(イーサリアム)をベースに、スマートコントラクトの機能性を高め、処理速度を上げた、dApps(自律分散型アプリケーション)プラットフォームで、2016年に公開されました。ERC20互換のトークンで、高機能版イーサリアムとも呼ばれています。
Aeternity(エターニティ)はブロックチェーンの普及を進めるため、ウェブブラウザ統合とモバイルファースト(スマートフォン優先)で開発を進めています。
通貨単位は「AE」で表記されます。
Aeternity(エターニティ)の特徴
State Channel(ステートチャネル)とオフチェーン
Aeternity(エターニティ)はスマートコントラクトを行う際に、「State Channel(ステートチャネル)」という技術を採用しています。、ブロックチェーン上でスマートコントラクトの全てを実行するのではなく、一部をオフチェーンで実行することで、全体の取引時間の削減を目的としたものです。
State Channel(ステートチャネル)
スマートコントラクトはイーサリアムを代表とする技術で、取引の内容とそこで発生する契約内容すべてを記録する技術です。
State Channel(ステートチャネル)は、ステートチャネルのスマートコントラクト上でスマートコントラクトを実行し、結果だけを書き込むことが出来るようになりました。これにより、スマートコントラクトの取引量の拡大を可能にしました。
メインチェーンと並行して処理が行われ、契約条件の不一致といったトラブルが生じた場合だけ、Aeternity(エターニティ)のメインブロックチェーンが裁判所のような機能をはたし、その問題を処理します。
ステートチャネルでは、実行も決済もオフチェーンで行われます。
オフチェーン
ブロックチェーン上でなくてもスマートコントラクトを実行できる仕組みです。
Ethereum(イーサリアム)ではブロックチェーン上(オンチェーン)で処理が行われますが、Aeternity(エターニティ)ではオフチェーン(ブロックチェーンを用いないやり方)で処理が行われます。
トランザクションが並列的に処理されていくため、Ethereumで問題視されていたスケーラビリティ問題を解消し、スマートコントラクトの高速化と手数料を安く抑えることをを実現しちます。
また、オフチェーンでのスマートコントラクトの実行はブロックチェーン上で情報公開をしないため、ユーザーは互いにプライベートで情報をやり取りできることになります。
企業にとってのメリットは、自社の記録をオフチェーンで処理できるので、取引データが公開されずに済みます。秘密にしたい部分はオフチェーンで、パブリックにしておくべき重要な部分はブロックチェーンで、というように使い分けることもできます。
分散型オラクル
ネットワークの外部に存在するデータを内部に取り込むシステムを”オラクル”といい、ブロックチェーンと現実社会の橋渡し的な役割をします。
Aeternity(エターニティ)のオラクルは、「ネットワーク上の全員からパブリックデータを収集する(分散合意形成)」を採用しているため、「分散型オラクル」と呼ばれます。
スマートコントラクトの履行においては、外部条件(現実世界の情報)によって契約が影響を受ける可能性があるという問題があります。
例えば、気温が30℃を超えた場合に以下のような処理を実行するといった、現実世界の情報に左右されるコントラクトの記述はイーサリアムではネットワーク上の単一障害点となってしまいます。
しかしAeternity(エターニティ)は、どの外部の情報が有効かという問題に対して「分散型オラクル」で対応することが可能です。
スマートフォンで簡単マイニング
Aeternity(エターニティ)は、PoW(プルーフオブワークス)とPoS(プルーフオブステーク)を組み合わせた混合コンセンサスアルゴリズム「Cuckoo Cycle」を採用しています。
PoWの電力を消費しすぎるという問題を解決し電力効率を上げ、PoSでブロック生成をすることでスマートフォンなどでも簡単にマイニングができるようになっています。