Lisk(リスク)は、スマートコントラクトを採用した分散型アプリケーションのプラットフォームで、2016年に公開されました。
通貨単位は「LSK」で表記されます。プラットフォーム内で利用される通貨名です。
Lisk(リスク)の特徴
LSKコインの発行枚数の上限なし
ICO時に、1億LSKが配布されました。
ネットワークの稼働後、101名の代表者がLiskネットワークの保護を行い、その活動に対してフォージング報酬を得ています。報酬は101人の代表者に均等に分配されます。
Liskがインフレ通貨と呼ばれる理由は、毎年コインの発行量が少しずつ増加していくためです。
Liskのブロックチェーン上で新しいブロックが作成されるたびに、5LSKが追加されます。ただし、300万ブロックごとに1LSKずつ減少し、最終的には1ブロックあたり1LSKになるように調整されています。
流通量に上限はありませんが発行ペースは一定のため、徐々にインフレ率は減少し、15年目には1.74%のインフレ率になるとされています。
フォージング
Lisk(リスク)では、ビットコインで言うマイニングのことを「フォージング(鋳造)」と呼びます。 取引の承認やブロックの生成のことです。
JavaScriptで開発可能
Lisk(リスク)では、エンジニアやプログラマーに馴染みのあるプログラミング言語「JavaScript」を採用しています。Ethereum(イーサリアム)は、イーサリアムのために作られた独自のプログラミング言語でなければ開発が出来ません。
両者とも、プラットフォーム上でアプリケーションを多く作ってもらうことを目的としています。
イーサリアム専用の独自プログラミング言語に比べて、JavaScriptはすでに習得している技術者が多いことから、開発参入のハードルが低いという点でLiskの方が、開発速度や質の向上にアドバンテージがあるといえます。
サイドチェーン上にスマートコントラクトを実装
Lisk(リスク)は、アプリケーションの基盤にメインチェーンではなくサイドチェーンを使用しています。
lisk.io
サイドチェーンは、メインチェーンから派生したチェーンのことで、基盤はメインチェーンですが、サイドチェーンごとのブロックチェーン上にコードを書くため、独立して動作をすることができます。そのため、メインチェーンと違う機能を持つことができます。
サイドチェーンを利用することで、イーサリアムが抱える2つの問題が解決されます。
スケーラビリティ問題
メインのブロックチェーンだけで全ての処理が行われることで、トランザクション(取引量)が増加するほど承認にコスト(時間、電力費用)が掛かってしまいます。
複数のサイドチェーンを利用することで、チェーンの性能・処理能力が向上し、Lisk(リスク)は取引時間の短縮に成功しています。また、メインチェーンに記載される取引情報の量が減るため、メインチェーンの処理能力の向上にもつながると考えられています。
バグ発生時の対処
イーサリアムはスマートコントラクトの穴を突かれ、ハッキングにより当時約80億円相当が盗難に逢うという「The DAO事件」がありました。
これは、メインチェーン上にスマートコントラクトを実装しているため、メインチェーンに集まる全てのトランザクションに対してハッキングが行われ、被害が拡大したという側面もあります。
Lisk(リスク)では、サイドチェーンごとにアプリケーションを構成し、被害を最小限に止めることで、その脆弱性を克服するといった高レベルのセキュリティを実現しました。
また、サイドチェーンやDApps上でバグが発見された場合は、メインチェーンを操作する必要はなく、サイドチェーンのみをハードフォーク(修正)だけで解決します。メインのチェーンに影響はありません。
このことからも、Lisk(リスク)は管理者がコントロールできるため、問題が発生した際に対処しやすく安全性が高いといえます。
DPoS(Delegated Proof of Stake)アルゴリズムを採用
Lisk(リスク)のフォージング承認システムは、DPoSを採用しています。
LSKコインの保有者の投票によって選出された承認者だけがブロックを生成することができるという仕組みです。これにより、Liskは承認速度を10秒程度に抑えることを可能にし、電力消費量も抑えることができます。